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生産技術センター

東芝の研究開発・技術

生産技術トピックス

洗濯乾燥機用可変磁力モータ

  • 制御技術

洗濯乾燥機は、洗濯物が入るドラムとモータを直結して駆動する機構となっています。駆動には洗いと脱水の二つの場合がありますが、回転数とトルクとも大きく違うため、ともに高効率に駆動することは困難です。そこで、運転の段階ごとにモータ内の磁石の磁力を変える可変磁力モータを開発しました。洗濯乾燥機の限られた奥行きに合わせ、多極薄型構造に向いた磁石配置を新たに考案し、家電製品として許容される電力で、磁力が可変できる新製法のサマコバ磁石を用意しました。この可変磁力モータは2009年9月より生産が開始され、世界で初めてこれを洗濯乾燥機TW-G500に搭載しました。また、TW-Z9000では業界省エネ(前年機種比22%減)を実現しました。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2010 Vol.65 No.3 2009年の技術成果
Active S-DDモータ

Active S-DDモータ

搭載洗濯乾燥機(TW-Z9000)

搭載洗濯乾燥機(TW-Z9000)

小型ダイオード用ウェーハレベルパッケージング技術

  • 高密度実装技術

モバイル機器に搭載する0603サイズの小型ダイオードパッケージを低コスト化するため、一括組立が可能なウェーハレベルパッケージング技術を開発しました。この技術では、従来用いていたダイマウントやワイヤボンディング工程を廃し、銅めっきによる電極形成技術やウェーハモールド技術を適用することで、ウェーハ状態での一括組立を可能にし、生産性を大幅に向上させました。この技術を実現するため、ウェーハ反り量の低減と高強度を両立するウェーハモールド用封止樹脂を新たに開発しました。この技術により、従来と比較して組立コストを大幅に低減することが可能となります。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2010 Vol.65 No.3 2009年の技術成果
従来パッケージ構造と新規パッケージ構造との比較

従来パッケージ構造と新規パッケージ構造との比較

ウェーハレベルプロセスによるダイオードパッケージ

ウェーハレベルプロセスによるダイオードパッケージ

光学式ウエハ欠陥検査シミュレーション

  • 光技術

NAND型メモリの光学式ウエハ欠陥検査で、光学条件ごとのパターン欠陥検出可否を判断するためのシミュレーション技術を開発しました。数十nmの微小欠陥と光の相互作用を計算するFDTD(Finite Difference Time Domain)法シミュレータと、検査装置の光学系を模擬する独自の結像計算プログラムを組み合わせ、検出器における欠陥信号強度を予測します。45nm世代のNAND型メモリで、入射波長依存性や偏光依存性が実測と一致することを確認しました。この技術を、量産現場での光学条件選定や、次世代NAND型メモリで必要とされる光学系の検討に適用していきます。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2010 Vol.65 No.3 2009年の技術成果
光学式ウエハ欠陥検査装置の光学系

光学式ウエハ欠陥検査装置の光学系

半導体製造装置のムダ作業可視化による生産能力向上

  • 生産エンジニアリング技術

高額な装置を使用する半導体製造では、装置の生産能力向上による製造コストの削減や投資抑制が必要となります。半導体製造プロセスは、ウエーハを特殊な雰囲気で処理する工程が多く、製造装置内ではウエーハの搬送やガスの吸排気など、多くの作業が自動的に行われます。装置能力の向上として、これまで実施されてきた装置の処理時間自体の短縮や非稼働時間の削減に加え、今回、装置内の個別作業のムダ削減に取り組みました。メモリ製造でのボトルネック装置を対象に、装置作業時間の詳細データを装置間の差や時系列変化などに着目して分析することで、ムダを発生させる作業とその要因を明らかにしました。この結果から、作業の並列化やウエーハ搬送装置の作業順序などを適正化して、ボトルネック装置の生産性を向上させ、生産規模増大のための投資抑制を果たしました。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2010 Vol.65 No.3 2009年の技術成果
半導体製造装置内の作業例

半導体製造装置内の作業例

インクジェットプリンタ用オリフィス加工装置

  • メカトロニクス技術

ポリイミド樹脂のプレートにエキシマレーザを用いたアブレーション加工で、インクジェットプリンタヘッドのオリフィス孔を加工するレーザ加工装置を開発しました。オリフィス孔の形状精度と位置精度は、インクジェットプリンタの印字品質に大きく影響します。加工光学系とプロセス条件の適正化で、真円度と断面形状精度の高い穴加工が可能となりました。また、高精度な位置決めステージと独自のアライメント技術を開発することで、誤差数μm以下の加工位置精度を実現しました。この装置で加工したプリンタヘッドは2009年2月から出荷され、業務用プリンタに搭載されています。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2010 Vol.65 No.3 2009年の技術成果
オリフィス加工装置

オリフィス加工装置

蒸気タービン長翼の自動研磨加工

  • 構造設計・製造技術

蒸気タービン長翼の翼面研磨作業を、3次元設計データから研磨加工データを作成するCAM(Computer Aided Manufacturing)技術と6軸制御加工技術により自動化し、量産に適用しました。研磨加工は砥粒(とりゅう)の摩滅により研磨量が時間変化するため、周速や研磨圧力などの加工条件を定式化して安定した品質を確保することが困難なことや、ばらつきのある研磨代に対して一定の条件を適用できないことから、人手作業に依存していました。この技術では研磨量の時間的変化を加工条件ごとに実験で定量化し、研磨量に応じた適正条件を指令するとともに、弾性体工具の姿勢および荷重を制御を行うことで自動化を実現しました。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2010 Vol.65 No.3 2009年の技術成果
蒸気タービン長翼の自動研磨システム

蒸気タービン長翼の自動研磨システム

LEDの光学特性測定と光学設計

  • 光技術

LED(発光ダイオード)製品の信頼性向上と開発期間短縮を目的として、LEDの光学測定装置を用いた高精度な光学設計手法を開発しました。これまでのLED製品開発では、設計、試作、及び評価の結果、所望の特性が得られず設計への後戻りが生じることがありました。後戻りの原因の一つは、光学設計モデルに設定する光源の特性と材料の光学特性が正確に測定されていなかったことにあります。そこで、LEDの光源特性と材料光学特性の測定装置を導入し、光学シミュレータとの連携や測定方法の工夫により光源の正確な空間・角度強度分布や材料物性をシミュレータに適用できるようにすることで、光学設計の精度が向上しました。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2010 Vol.65 No.3 2009年の技術成果
光源特性と材料特性測定を利用した高精度な光学設

光源特性と材料特性測定を利用した高精度な光学設

可視光反応型光触媒の塗布膜形成技術

  • 薄膜プロセス技術

可視光反応型光触媒ナノ粒子を持つ新材料を塗布膜に形成する技術を開発しました。この技術は、ナノ粒子触媒表面の物理的・化学的反応をプロセスで制御することで、抗菌及び抗ウィルス、有害ガス分解などの効果を持つ光触媒膜を作成します。光触媒は、光によってナノ粒子表面で反応が起こります。膜形成プロセスで表面反応を阻害しないで固定化することがポイントとなります。新材料は、水分散時の共存イオンなどの影響により粒子表面水酸基が変化して触媒作用の発現に関与することを明らかにし、これを制御できる塗布膜作成プロセスを確立しました。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2010 Vol.65 No.3 2009年の技術成果
ナノ粒子表面を制御して形成した光触媒膜と特性

ナノ粒子表面を制御して形成した光触媒膜と特性

設計のプラットフォーム化

  • 生産エンジニアリング技術

プラットフォーム化設計とは、製品の高性能・高機能化によって、複雑化、微細化、高精度化及び多品種化が進むなかで、ユーザーが満足される信頼度の高い製品の開発、市場投入のタイミングでの商品投入、ニーズに対応したバリエーションなど、ユーザーのためのQCDS(品質、価格、納期、サービス)向上を目的とした設計手法です。
ユーザーの要求に応えるため、プラットフォーム化設計に全社で取り組んでいます。東芝の製品分野はエレクトロニクスからエネルギーと幅広く、それぞれのユーザーが満足するプラットフォーム化設計のあるべき姿が異なるため、製品の形態や求められる要望の種類に合わせたプラットフォーム化設計の手引書を作成しました。
この手引書は以下のようなもので構成しています。

  1. ユーザーの要望別にノウハウ(考え方、知識、経験)をまとめたのプラットフォーム化コンセプト
  2. 製品形態に合わせたプラットフォーム化設計の業務フロー
  3. プラットフォーム化設計をDFACE(Define、Focus、Analyze、Create、Evaluate)ステップ(東芝流シックスシグマ手法)でまとめた設計手法

この手引書を東芝グループ全体に推し進め、活用していくことで、ユーザーの価値につながる製品を創出していきます。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2009 Vol.64 No.3 2008年の技術成果
1.ガイダンス(プラットフォーム化コンセプト)

1.ガイダンス(プラットフォーム化コンセプト)

2.プラットフォーム化設計推進業務フロー概要

2.プラットフォーム化設計推進業務フロー概要

3.DFACEステップ概要

3.DFACEステップ概要

RF-MEMS用インライン・ウエハレベル・パッケージ

  • 高密度実装技術

携帯電話などのモバイル機器に搭載が見込まれるRF(Radio Frequency)-MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を薄膜を用いて中空封止する、インライン ウエハレベル パッケージを開発しました。
中空封止技術は、可動部の残留振動を抑制できる「実圧気密方式」と高速動作に対応した「真空気密方式」の2種類で、MEMS素子に要求される特性により使い分けます。素子を形成する前工程でウェーハ内のMEMS素子を一括封止するため、ダストの混入が少なく、低コストで封止することができます。この技術は、静電駆動型可変容量MEMSに適用するほか、高周波デバイスや各種センサへの応用を検討していきます。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2009 Vol.64 No.3 2008年の技術成果
実圧気密封止後の外観と断面/各薄膜工程での応力およびモールド時の影響を構造解析で予測し中空封止構造を最適化

実圧気密封止後の外観と断面
各薄膜工程での応力およびモールド時の影響を構造解析で予測し中空封止構造を最適化

液晶ディスプレイ用実装検査装置

  • メカトロニクス技術

液晶ディスプレイ(LCD)のガラス基板周辺に実装されている駆動用ICの接合状態を、自動で外観検査する装置を開発しました。
ガラス基板と駆動用ICは、数μmの導電性粒子を電極間に挟み込むことで電気的に接合されています。1枚のLCDには数千点の接合部がありますが、1ヶ所でも接合不良が発生すると正しい画像表示ができません。
従来、微小な粒子の挟み込み状態を検査することは困難でしたが、今回開発した装置では、画像処理技術を用いて外観から判断することができます。現在、製造現場でLCDの高い実装品質の維持に貢献しています。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2009 Vol.64 No.3 2008年の技術成果
液晶ディスプレイ用実装検査装置

液晶ディスプレイ用実装検査装置

筐体一体配線技術

  • 構造設計・製造技術

樹脂筐体の表面に、導電性ペーストをパッド印刷し、ペースト上に銅などをめっきするだけで電気配線を形成する技術を開発しました。
ポイントは、モバイル機器筐体に使用する樹脂の熱変形温度よりも低い70℃で硬化する低温硬化型導電性ペースト、曲面へのパッド印刷方法、及びペーストへのダメージを低減するめっきプロセスです。低温硬化型導電性ペーストは東洋紡績(株)と共同で開発しました。
この技術をパソコンや携帯電話などのアンテナに適用すれば、多機能化により数が増えているアンテナの容積を低減することが可能となります。今後,実用化に向けて量産化技術の確認を進めていきます。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2009 Vol.64 No.3 2008年の技術成果
樹脂筐体に直接形成した筐体一体型アンテナ

樹脂筐体に直接形成した筐体一体型アンテナ

特性ばらつき低減手法

  • 設計・生産情報システム技術

抜き取り検査を主体とした製造ラインにおいて、不良につながる製品の特性ばらつきの要因抽出と改善を効率良く行えるQC(Quality Control)手法を開発しました。
多変量解析を用いて、特性ばらつきに対する各工程の影響度や工程間の相互関係を明確にするため、測定場所を主要工程で統一し、測定点数も増やしたことが特長です。詳細データを取ることで、解析精度の大幅な向上を可能にしました。これに伴う検査時間の増加は、影響度の低い工程の測定点数を削減することで抑制し、QCの効率化を図っています。
この手法をプロセス系製造ラインに適用し、加工ばらつきを定量化すると共に、工程間APC(Advanced Process Control)を展開して、製品特性の安定化に貢献しています。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2009 Vol.64 No.3 2008年の技術成果
特性ばらつき制御を目的としたQCシステム

特性ばらつき制御を目的としたQCシステム

マルチフィジックス解析のための解像度可変型粒子法

  • 構造設計・製造技術

メッシュをいっさい用いない解析手法である粒子法の実用化に向けて、解像度可変型粒子法を開発しました。
粒子法は、流体や固体を粒子で表現して解析する手法であり、有限要素法などのメッシュを用いた手法では困難だった大変形解析や流体と固体の連成解析を容易に行え、プレス加工や衝撃破壊などの製造プロセスを解明できると期待されています。しかし、従来の粒子法では粒子サイズを変更できなかったため、解像度を高くするには空間全体に小さな粒子を配置する必要がありました。
今回開発した手法では、解像度の必要な領域だけ粒子を小さくすることで粒子数を大幅に削減し、従来の粒子法と同程度の解析精度を保ちながら、計算時間の約1/9と大幅に短縮しました。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2009 Vol.64 No.3 2008年の技術成果
解像度可変型粒子法によるダム崩壊の解析

解像度可変型粒子法によるダム崩壊の解析

製造納期を早期化する生産計画支援システム

  • 生産エンジニアリング技術

ストレージデバイス事業における顧客満足度向上と販売機会損失削減の一環として、営業部門からの出荷要求に対して月次又は日次の納期を早期に回答するための生産計画支援システムを、HDD(ハードディスク装置)製造部門と協力して開発しました。
このシステムの特長は、徹底した現状業務の分析に基づき運用手順を定型化したうえで、計画の自動作成後に担当者による数量調整ができるアプリケーション構成と、複数担当者により計画の同時作成ができるデータモデルを採用したことです。
このシステムにより従来の計画作成時間を40%短縮できる見込みで、HDDの製造ラインに適用しています。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2009 Vol.64 No.3 2008年の技術成果
生産計画支援システムの概要

生産計画支援システムの概要

製造装置のQC作業自動化システム

  • 設計・生産情報システム技術

半導体製造ラインでは、製品品質の安定化のために、製造装置の処理性能を定期的にチェックするという装置QC作業が必要です。クリーンルームでの装置QC作業を効率化するため、自動化システムを開発しました。
装置QCは、検査項目や実施タイミング、及び使用するウェーハの種類や使用枚数が装置ごとに異なるため作業が煩雑で、人が判断しなくてはならない項目も多くあります。そこで、装置情報のオンライン化と、機種別のQC作業項目の明確化及び判断ルールの形式化を進め、自動化システムを構築しました。自動化システムでは、装置ごとのQC実施タイミングに合わせて使用ウェーハを自動的に準備し、処理フローに従って測定装置やQC対象の製造装置で自動着工し、QC後のウェーハを品種別に自動回収することができます。
現在、300mmウェーハのクリーンルームで全工程に適用し、生産性向上に貢献しています。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2009 Vol.64 No.3 2008年の技術成果
製造装置のQC自動化システム

製造装置のQC自動化システム

自律制御システムを搭載した倒立振子型2輪搬送車

  • 制御技術

高度な制御技術の具現化モチーフとして、倒立振子型2輪搬送車のプロトタイプを開発しました。
この2輪車両は自身の姿勢を安定に保つことができるため、床面占有面積 300mm四方の小さな車体で、1,000mm四方程度の大きなワークを安定して搬送することができます。モータやセンサなどの部品は、市販品を組み合わせてシンプルに構成し、独自のアルゴリズムを組み込みました。平地での直線走行時は1,000mm/s、傾斜角10°の登坂時は500mm/s、半径600mmでの旋回時は800mm/sの速度で走行できます。また、目標や障害物を認識するレーザファインダーで走行軌道を生成し、軌跡誤差を補正した自律走行が可能です。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2009 Vol.64 No.3 2008年の技術成果
倒立振子型2輪搬送車

倒立振子型2輪搬送車

高速ダイマウント装置

  • メカトロニクス技術

半導体パッケージの生産性向上を目的として、業界最速レベルのダイマウント装置を開発しました。
この装置は、ウェーハからチップをピックアップし、リードフレーム上に搭載する装置です。マウントヘッドの小形・軽量化や、ウェーハ上のチップの一括認識アルゴリズム及びリードフレーム送り機構などの開発により、従来1チップずつ搭載していたものを複数個同時に搭載でき、業界最速レベルの0.16s/チップ(プロセス時間含む)を実現しました。また、チップダメージを低減するために、瞬時に荷重を切り替えることができる独自の荷重制御機構を組み込んでいます。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2009 Vol.64 No.3 2008年の技術成果
高速ダイマウント装置

高速ダイマウント装置

研磨布寿命を2倍に向上する楕円型ドレッサを開発

  • 構造設計・製造技術

ガラス製レンズやフォトマスク,半導体ウエハや半導体デバイスなどの製造では、その表面を平坦にするために部材を研磨布に押し付けて部材とおよび研磨布を回転させながら研磨加工します。研磨を何度か実施した後には、発生する加工屑による研磨布の目詰まりを防ぎ、部材に傷を付けたりしないように、ダイヤモンド砥粒などを埋め込んだドレッサを研磨布に押し付け回転させて研磨布の表面を削り取ります。
東芝生産技術センターでは、ドレッサと研磨布の運動をモデル化し、ドレッサと研磨布との相対速度を定量的に解析する技術を開発しました。これによって研磨布の平坦度と寿命を向上できるドレッサ形状を最適化する手法を確立し、従来のドーナツ形ドレッサより研磨布削れ量を均一化し、研磨布の寿命を向上できる「楕円形ドレッサ」を開発しました。
半導体ウエハをモチーフとしたシミュレーション結果では、楕円型ドレッサの削れ量幅は従来のドーナツ型の800nmの1/6以下に低減し、研磨布の寿命を2倍に向上することが確認できました。
「楕円型ドレッサ」は使用するダイヤモンド砥粒は従来と同等で、研磨布の交換頻度は半減し研磨布コストも1/2化します。ガラス製部品やシリコン製部品など様々な対象について適用可能であり、2年後の実用を目指しています。

関連論文

掲載誌名
精密工学会誌74巻7号(2008年7月5日発行)
研磨装置および楕円型ドレッサ/ドーナツ型ドレッサと楕円型ドレッサの違い

研磨装置および楕円型ドレッサ
ドーナツ型ドレッサと楕円型ドレッサの違い

製造ラインの設計期間を短縮できるシミュレーションモデル自動生成用基本ツール

  • 生産エンジニアリング技術

製造業を取り巻く市場の急激な変化に対応するため,モノづくりのスピードアップが急務になっています。これを実現するためには,新製品開発と生産性の高い製造ラインの設計を短期間で行わなければなりません。
東芝はこのようなニーズに応えるため,製造ラインの設計にシミュレーション技術を活用していますが,見識や熟練度という専門家のスキルに依存したシミュレーションモデル作成のため,設計期間の短縮が課題でした。これを解決するために,シミュレーションモデルを自動で生成する基本ツールを開発しました。これにより,ライン型とショップ型それぞれの製造ラインのシミュレーションモデル作成期間が,従来方法の1/4 ~1/5と大幅に短縮できることを確認しました。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2008 Vol.63 No.4
基本ツールの構成の図

基本ツールの構成の図

製品供給力を強化するための供給連鎖の適正化手法とツール

  • 生産エンジニアリング技術

部品調達から加工、組立、及び出荷に至る企業内の供給連鎖を適正化する手法とツール群を開発し、それらを活用して、納期遵守率を高く維持しながら、製造リードタイムを短縮して製造仕掛りを削減させる工程計画スケジューラを開発しました。
供給連鎖内の材料、中間品、完成品の流れを水の流れとしてモデル化し、これを適正に制御するための改善施策を立案し、ツール群を使って設計パラメータを決定する手法です。ツール群は、POP(Point of Production)システム、供給連鎖適正化ツール、及び簡易財務シミュレーションから構成されます。
この手法を用いて立案した工程計画の適正解モデルを使い、過去1年間の実績に基づいた製造プロセスシミュレーションを実行した結果、計画遵守率を7%向上させ、製造リードタイムを6%短縮、同ばらつきを33%減少させる効果が確認されました。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2008 Vol.63 No.4
供給連鎖の適正化を支援するツール群/適正解探索結果

供給連鎖の適正化を支援するツール群/適正解探索結果

RF-MEMS構造設計シミュレーション

  • 構造設計・製造技術

携帯電話などに用いられる無線通信モジュールの小型化、低コスト化、高性能化、及び低消費電力化のため、RF-MEMS(Radio Frequency Micro Electro Mechanical System)の実用化が期待されています。RF-MEMSはμmオーダーの微小な可動部で高周波信号を制御する電気機械部品であり、構造や空気抵抗がその特性に大きく影響します。
そこで、静電力で駆動するRF-MEMS素子を対象とし、有限要素法を用いて静電力、構造、及び流体を連成して動的な挙動を解析するシミュレーション技術を開発しました。構造及び雰囲気圧力によって駆動電圧や動的な挙動が大きく変動する現象を正確にとらえことに成功し、RF-MEMSの構造適正化に適用しています。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2008 Vol.63 No.3 2007年の技術成果
RF-MEMS構造設計シミュレーションの画像

鉛フリーはんだバンプを用いたフリップチップ接続技術

  • 高密度実装技術

鉛フリーはんだバンプを用いたLSIチップとパッケージ内部のフリップチップ接続技術を開発しました。
鉛フリーはんだの中でもクリープ変形しやすいスズ銅合金(Sn-0.7Cu)をバンプ材料に採用しました。CuにSnを積層した電気めっき膜を理フロー熱処理により合金化し、積層膜厚比の制御により希薄なCu組成の高精度制御を可能とする300mmウェーハ対応のバンプ量産プロセスを確立しました。
この結果、高性能LSIチップに不可欠ながら機械的に弱い低誘導率(Low-K)絶縁膜を破壊することなくフリップチップ接続が可能となりました。この技術は、Cell技術を使ったコプロセッサSpursEngineTMや45nm世代以降のLSI製品に適用を予定しています。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2008 Vol.63 No.3 2007年の技術成果
鉛フリーはんだバンプを用いたフリップチップ接続技術の画像

白色ハイパワーLED対応のダイマウント技術

  • 高密度実装技術

LED(発光ダイオード)チップをリードフレームに接続する方法として、熱伝導率が高く、光劣化のないAuSn(金スズ)はんだを用いて接続する技術を開発し、白色ハイパワーLEDに適用しました。
この技術は、チップとリードフレームの間に、シート状のAuSnはんだを供給した後、加熱溶融してLEDチップをマウントする技術であり、フレームの表面粗さと平坦性にかかわらず、接続が可能です。はんだシート材料を清浄化すること、及びはんだ溶融時に発生する気泡をチップ外に排除できるフレーム構造を採用することで、マウント部に残存する気泡を大幅に抑制しました。この技術により、当社ではじめての白色ハイパワーLED TL12W01-Dの量産化に貢献しました。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2008 Vol.63 No.3 2007年の技術成果
白色ハイパワーLEDのダイマウント

白色ハイパワーLEDのダイマウント

車載向けモータ制御用DSPとリファレンスモデル

  • 制御技術

車載向けモータ制御用DSP(Digital Signal Processor)TMP77FM70TUGと電動パワーステアリング(EPS:Electric Power Steering)向けDSP評価用リファレンスモデルを開発しました。
DSPは16ビットコアによる高速演算処理が可能で、最小分解能25nsの三相PWM(Pluse Width Modulation)出力、2チャンネル同時に動作する返還速度2μsのA-D(Analog-to-Digital)変換器を搭載し、効率のよいモータ制御を実現しました。車載品質に対応し、高温環境下での動作を保証しています。更に、顧客評価用に開発したリファレンスモデルは、モータの位置を高精度に検出でき、始動・低速時の適切なトルク制御と回転数制御を実現しました。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2008 Vol.63 No.3 2007年の技術成果
車載向けモータ制御16ビットDSP/TMP77FM70TUGと評価用リファレンスモデル

車載向けモータ制御16ビットDSP
TMP77FM70TUGと評価用リファレンスモデル

実機レスデバッグシステム

  • メカトロニクス技術

新製品を早期に市場投入するためには、製造設備を短期間に開発することが重要です。開発期間短縮に効果のある実機レスデバッグシステムを開発し、実用化しました。
従来は、実機のハードウェア(HW)を活用して、製造設備の制御ソフトウェア(SW)の検証作業を行っていました。この検証作業をHW完成前に行えるように、HW(制御HW部と機構部)をシミュレーションモデル化し、実機レスでSWの検証ができるシステムを構築しました。このシステムは、シミュレーションモデルの構成に柔軟性を持たせているので、多くの設備で効率よく活用することができます。
既に実用化し、実機での制御SW検証期間を60%短縮するなどの効果を上げています。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2008 Vol.63 No.3 2007年の技術成果
実機レスデバッグシステム

実機レスデバッグシステム

ヒートポンプ式洗濯乾燥機用コンプレッサのインバータ技術

  • 制御技術

ヒートポンプ式選択乾燥機TW3000VEに搭載するコンプレッサ用モータの駆動インバータを開発しました。
開発したインバータは、効率向上のために、出力電圧を従来機種の1.2倍にする過変調制御技術を採用しました。これにより、コンプレッサの総合効率を最大3%向上させました。
更に、乾燥時の循環風量の増加、新冷媒によるヒートポンプのエネルギー効率向上などの技術を採用し、省エネ性能を向上させました。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2008 Vol.63 No.3 2007年の技術成果
コンプレッサー用モータと駆動用インバータ

コンプレッサー用モータと駆動用インバータ

燃料電池高効率化に向けた「低温成長カーボンナノ材料」

  • 薄膜プロセス技術

カーボンナノファイバーを、様々な基材に直接成長させる技術を開発しています。ポイントは、「低温化」と「形状対応」です。

低温化

カーボンナノファイバーの成長方法として、アーク放電法やレーザ蒸着法では1000℃以上の高温が発生するため、基材に直接成長させることが困難ですが、熱CVD法では、700~1000℃程度で金属基板への直接成長が可能です。最近ではプラズマCVD法で成長させる研究が盛んで、550~700℃程度でシリコン基板へ容易に成長させることが可能になりました。弊社ではプラズマCVD法を応用することで、高温では使用できないガラス基板へ450℃程度で直接成長させることに成功しました。

形状対応

カーボンナノファイバーを成長させるための触媒として、一般的に鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)等が使用されます。その薄膜形成法としてスパッタリング法が多用されていますが、この手法ではカーボンナノファイバーを基材の裏面にまで成長させることが困難です。弊社では球状に近いカーボン粒子の全面に、カーボンナノファイバーを成長させることに成功しました。

燃料電池適用に向けて

カーボンナノファイバーをカーボン粒子に成長させた触媒担体、およびカーボンナノファイバーをカーボンペーパーに成長させた電極を開発中です。これにより、表面積増大および電子伝導性向上による発電効率アップが期待されます。燃料電池への適用を目指して評価を進めています。

  • ※ カーボンナノファイバー(Carbon nano-fiber):炭素の平面結晶を繊維状に成長させたナノサイズの材料。高導電性、高熱伝導性、高強度等の特長を有する。

関連発表

2008年2月
nano tech 2008 国際ナノテクノロジー総合展 に展示
低温成長カーボンナノ材料の写真

視覚理論を応用した目視官能検査の自動化

  • 光技術

人の視覚処理を数値化することで、人の感覚と一致した判定を自動化する技術を開発しました。
印刷物や液晶パネルなどの画像のムラを検査するような官能検査では、作業者の検査結果と自動検査の結果が一致せず、自動化を一層困難なものとしています。
人の視覚はモノを大観し、大きな変化をとらえる特性があるので、不良個所の大きさや周囲との明るさを比較するなど単純なパラメーターで制御すると、機械にはどんな小さな欠陥でも検出してしまう難点があります。
人がモノを認識する場合、網膜の視細胞の「受容野」と呼ばれる部分で行われる、形状や明るさによってモノの特徴を抽出する特性に注目し、人の感覚的な視覚処理を数値的に処理する手法を開発しました。カメラで撮像したデータを、視覚細胞の反応を模した処理を行い、ムラや傷、異物などを定量化し、人が気になるレベルの欠陥のみを検知することで、人の感覚と一致した判定を行います。
この技術は、まず携帯電話向け液晶モジュールの画面のムラや傷の検査に適用します。人的作業では避けられない検査の見落としや不均一性を無くし、一定の品質を保った製品に仕上げることを目指します。今後は汎用的な検査手段として技術を確立して適用範囲を広げていきます。

関連新聞発表

2007年11月8日
日刊工業新聞に掲載
視覚理論を応用した目視官能検査の自動化の写真

独自形状で低電圧駆動を可能にした高周波MEMSスイッチを開発

  • 高密度実装技術

近年、モバイル機器(携帯電話やモバイルPC)では、例えば電話、テレビ、無線LANなどの通信を一台の機器で行うようになり、高周波回路(システム)は複雑化しています。半導体部品のみでは、複雑化したシステムを実現することが困難になっており、高周波特性に優れた微小電気機械部品(MEMS)が必要になってきました。
MEMS高周波部品の特徴は、半導体高周波部品に比べて低消費電力と良好な高周波特性にあり、特に高周波特性では半導体で実現できない低ロス、高アイソレーション、低歪が得られます。今回開発したRF-MEMSスイッチでは駆動電圧が10V以下を実現し、他社の30V~70Vに比べ低電圧でスイッチ動作が可能となりました。静電型RF-MEMSスイッチとしては、世界トップレベルの低電圧駆動スイッチです。

  • ※ MEMS:「Micro Electro Mechanical Systems(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)」の略。半導体微細加工技術を応用して作製され、具体的にはシリコンウェーハ上に機械・電子・光・化学などの複合機能を一体化した微小デバイスのことを言います。

関連新聞発表

2007年10月26日
日本経済新聞に掲載
今回開発した高周波MEMSスイッチの拡大写真(中心部が接点で上下の半円部分が羽ばたくように動く)

今回開発した高周波MEMSスイッチの拡大写真(中心部が接点で上下の半円部分が羽ばたくように動く)

薬品を再利用できる環境配慮型のレジスト除去技術

  • 薄膜プロセス技術

半導体の製造では、薬品の大量使用による環境負荷の増大、コスト上昇が課題となります。レジスト除去を行う「ウェット工程」において、従来のSPM(硫酸、過酸化水素水の混合液)に替えて電解硫酸で処理するプロセスを開発しました。
レジストは半導体回路形成時のマスク材料で、回路パターン加工後に除去されます。従来は、レジスト除去剤となる活性なペルオキソ一硫酸を生成するため硫酸に過酸化水素水を混ぜていました。しかし、この方法では硫酸が過酸化水素水によって希釈されるため硫酸のリサイクルが困難でした。新技術では、硫酸を電気分解することによってペルオキソ一硫酸を生成するため、希釈されることがなくリサイクルが可能です。
新技術を採用すれば、適用工程での硫酸使用量を約70%削減でき、また過酸化水素水については全廃することができるので、環境負荷の低減および工場排水処理の効率化に寄与します。さらに、新技術では、ペルオキソ一硫酸を効率的に作ることができるため、約2割短い時間でレジストを除去でき、生産性改善にも貢献します。
この技術を用いて、芝浦メカトロニクス株式会社、クロリンエンジニアズ株式会社と枚葉処理型のレジスト除去装置を共同開発しました。

電解硫酸の原理及びリユース可能な電解硫酸の図

300mmウェーハ製造棟クリーンルーム運用効率化のための自動搬送システムを開発

  • 生産エンジニアリング技術

メモリやロジックなどの半導体製造の生産性を向上させるために、従来の直径200mmのウェーハから、直径300mmへの移行が進められています。300mmウェーハは重量が重く、人手での搬送が困難なため、製造装置上に設置されたレール上を移動・巡回する搬送車によって製造装置へと自動的に搬送されます。
このようなウェーハの300mm化や搬送の自動化とともに、更なる作業の効率化を図り、生産性向上を進めるために、クリーンルーム内の作業や判断業務を自動化するシステムを開発しました。
従来、製造指示作業は作業者の判断に依存していました。この作業を自動化するために、処理・加工の実行が可能な製造装置の選択、適切なウェーハの選択と製造装置への割り付け、製造開始のタイミングなど、経験にもとづく作業者の運用ノウハウを形式知化することで、判断ルールを作成しました。
開発したシステムは、作成した判断ルールに基づき、ウェーハの処理・加工の優先度を自動的に判断し、搬送、製造の指示を行います。更に作成した判断ルールをライブラリ化することで、製造ラインを停止させることなく判断ルールの追加や変更を行うことができるようにし、異なる工場でも再利用できるようにしました。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2007 Vol.62 No.3
300mmウェハーの効果

300mmウェハーの効果

製造装置へのウェハー自動搬送

製造装置へのウェハー自動搬送

自動化システム全体構成の図

自動化システム全体構成の図

スキャッタロメトリ法によるレジストパターンの寸法測定

  • 光技術

NAND(Negative AND circuit)型メモリのレジストパターン寸法測定に、従来法に比べ高スループット・高再現性・低ダメージなスキャッタロメトリ法を初めて量産適用しました。
パターン形状に応じて反射回折光の分光波形が変化する原理を利用したこの手法は、測定波形をパターン形状ごとに計算した理論波形ライブラリの中から検索することで、寸法を算出します。パターン形状のプロセス変動を考慮して理論波形をライブラリ化することで、誤測定を防ぎました。
これにより、従来の寸法測定用走査型電子顕微鏡のレジスト損傷の問題を解決し、高速・高精度な測定を実現しました。さらに、測定結果に基づくレジスト加工プロセスの精密なコントロールが可能になりました。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2007 Vol.62 No.3
スキャッタロメトリ法の測定原理の図

スキャッタロメトリ法の測定原理の図

立体的半導体表面への等方的ドーピング技術

  • 薄膜プロセス技術

MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタでは、高濃度に不純物を注入して低い抵抗率とした領域(拡散層)を、電流の取り出し部として用いています。
現在の平面MOSトランジスタでは、拡散層の形成方法として、加速させた不純物イオンをSi層に導入する方法(イオン注入法)を用いています。しかしながら、次世代の性能MOSトランジスタは立体構造となるため拡散層を側面に形成する必要があり、方向性を持った不純物導入方法であるイオン注入は適用できません。
不純物を含むガスを用いた新たな熱拡散法(気相拡散法)は、方向性を持たない不純物注入方法であり、立体的に半導体表面に拡散層を形成できます。
この方法により、立体構造を持つトランジスタの側面に高濃度の拡散層を形成することが可能になりました。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2007 Vol.62 No.3
イオン注入法と気相拡散法

イオン注入法と気相拡散法

組立ライン向けQCシステム

  • 設計・生産情報システム技術

組立製造ラインにおける製造の履歴や検査データから品質向上に役立つ情報を抽出して可視化する品質管理(QC:Quality Control)システムを開発しました。
このQCシステムは、製品を製造した装置を特定する機能の他に、不合格品が発生した場合に、修理履歴情報を簡単に把握できるようにしたことが特長です。修理の履歴情報から、修理が適正に行なわれているかを把握し、必要に応じて指示内容を見直すことで製造ロスを削減することができます。
このシステムを磁気ディスク装置(HDD)の海外製造拠点に導入し、製品品質の向上および製造ロス削減によってコスト低減に貢献しました。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2007 Vol.62 No.3
組立ライン向けQCシステムの図

組立ライン向けQCシステムの図

高熱伝導ダイマウント技術

  • 高密度実装技術

発熱量の大きいパワー素子デバイスの放熱性を高めるため、熱伝導率の高い銀ペーストを用いてデバイス接続する(ダイマウント)技術を開発しました。
銀ペースト成分である銀粒子の形状、樹脂材料及び溶剤を改良するとともに、硬化条件を適正化することで、業界最高レベルの熱伝導率(60W/m・K)を実現しました。この技術により、鉛すずはんだと同等の放熱性を持つ接続を、はんだでは困難な200℃以下の低温プロセスで可能としました。
この材料を耐熱温度の低いLED(発光ダイオード)パッケージに適用し、輝度向上に貢献しました。今後、この技術をパワートランジスタなどほかデバイスに展開していきます。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2007 Vol.62 No.3
銀ペーストを用いた高熱伝導ダイマウント技術

銀ペーストを用いた高熱伝導ダイマウント技術

0.85インチHDD組立自動化ライン

  • メカトロニクス技術

世界最小(注1)の0.85インチHDDの品質安定化と生産性向上のため、組立自動化ラインを開発しました。
小径ねじ・ナット締結、自動化困難なカバー外周のシールはり付け、HDDでは初めて(注2)となるヘッドに両面一括接合が可能な異方性導電膜接合方式などの自動化技術、及びライン省スペース化を実現するための小型クリーンロボットを開発し内製化することによって、信頼性の高い組立自動化ラインを完成させ、量産に貢献しました。

  • (注1): 2006年12月現在、当社調べ。2005年版ギネスブックに掲載。
  • (注2): 2006年7月現在、当社調べ。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2007 Vol.62 No.3
0.85インチHDD組立自動化ライン

0.85インチHDD組立自動化ライン

HD DVD用光ピックアップヘッドの製造装置

  • メカトロニクス技術

HD DVDは製造面においてDVDとの互換性に優れています。DVDの製造技術を応用することで、レーザ光で情報の記録・再生を行うHD DVD用ピックアップヘッド(PUH)の光学調整・組立装置を短期間で開発しました。
DVDの製造技術をもとに、PUHの青色レーザ発光素子、赤色レーザ発光素子、及びレーザ受光素子の位置や角度を高精度に組み立てるため、画像処理技術と信号処理技術を組み合わせた調整機能と、位置ずれを自動的に補正する技術を新たに開発し、組立品質を向上させることができました。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2007 Vol.62 No.3
HD DVD用PUHの製造装置

HD DVD用PUHの製造装置

HD DVDスリムドライブ

HD DVDスリムドライブ

ランドリー用 S-DDモータ

  • 制御技術

近年、需要が急速に伸びている洗濯乾燥機(ランドリー)には、低電力(省エネ)及び低騒音化が求められています。
新型ランドリーに適用したS-DDモータ(新型ダイレクトドライブモータ)は、従来使用していたフェライト磁石よりも約3倍の磁力をもつ高磁力希土類マグネットの採用と、磁気回路内の磁束密度を向上させる構造設計によって薄型化を実現したもので、薄型化によって、コイル抵抗が減少し、モータ消費電力量を従来比で18%低減することができました。更に、磁束密度分布に影響を与えるロータ形状を適正化することで低騒音化を図り、業界最小(注)の脱水時42dBを実現しました。

  • (注): 2005年2月現在

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2006 Vol.61 No.3
S-DDモータ

S-DDモータ

70nm世代向け 半導体フォトマスク検査装置

  • 光技術

70nm世代の半導体デバイス用フォトマスクの欠陥を画像検査する装置を開発しました。この装置は、下記の改良により、70nm以下の欠陥が検出可能となりました。

  1. 高感度な深紫外光裏面照射型TDI(Time Delay & Integration)センサ(注)による検査精度向上(感度従来比5倍)
  2. 検査画像と比較する設計データの精度向上(誤差1/3化)
  3. プログラマブル画像処理回路によるアルゴリズム変更 リードタイムの低減(1/5化)

この検査装置は、2005年7月に稼動を開始し、NAND型フラッシュメモリ等の高品位フォトマスクの生産に貢献しています。

  • (注)半導体MIRAIプロジェクトに参画して開発

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2006 Vol.61 No.3
マスク検査装置

マスク検査装置

シミュレーションによるNANDデバイスのロバスト設計

  • 薄膜プロセス技術

NAND(Negative AND circuit)型メモリの製造プロセス変動の影響を考慮したデバイス構造設計シミュレーション技術を開発しました。
デバイス構造を3次元でモデリングすることで、電気特性を7%以下の精度(実測値との差)で計算します。更に、タグチメッソッドによるプロセス変動に対する電気特性の感度評価、モンテカルロ法によるプロセス変動時の電気特性変動をシミュレートします。
この技術をデザインルール100nm以下の先端NAND型メモリに適用し、量産プロセスのバラツキに対して電気特性変動が少ない素子構造を設計しました。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2006 Vol.61 No.3
NANDデバイスのロバスト設計の図

NANDデバイスのロバスト設計の図

計算化学による次世代デバイスプロセス評価

  • 薄膜プロセス技術

計算化学は、従来解明できなかった現象を原子レベルで解析・シミュレーションする技術です。当社は、次世代メモリデバイスの高誘電体膜とSi界面で発生するアルミニウム(Al)の拡散現象について、計算化学を用いて原因を予測しました。シミュレーションによって次の結果を得ることができました。

  1. 高誘電体膜中に拡散したSiが酸化アルミニウム(Al-O)の結合を切断することでAlの拡散が発生しやすくなる。
  2. Alの拡散を防止するために必要な拡散防止膜厚を予測することができる。

今後、計算化学により解析を新材料の物性予測に適用し、次世代デバイスプロセス開発に活用していきます。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2006 Vol.61 No.3
高誘電体/Si界面でのAIの拡散

高誘電体/Si界面でのAIの拡散

品質異常対応履歴システム

  • 設計・生産情報システム技術

製造ラインで品質の異常が発生した際に、過去の事例を参照・活用して対策の立案を迅速化するための品質管理システムを開発しました。
このシステムでは、品質異常に対する対策の履歴をデータベースに蓄積し、異常発生時に作業者が過去の類似事例を現象、工程、装置などのキーワードで検索できます。このシステムを液晶パネルの製造ラインに適用しました。これにより、品質異常の発生から復帰までの時間を短縮し、突発的な異常による不良数を低減することが可能となりました。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2006 Vol.61 No.3
品質異常対応履歴システム

品質異常対応履歴システム

公差解析技術

  • 構造設計・製造技術

製造性を考慮した高品質な製品を短期間で開発することを目的に、部品加工精度と組立精度を適正化する公差解析技術を開発しました。
公差解析は、製品を構成する部品の寸法許容差(公差)を定義して、最終的な組立精度を統計的に予測するもので、製品の組立精度に対する部品公差、部品の組立順序、ジグ精度の影響などを総合的にとらえることができます。
この技術を0.85インチHDDの開発に適用し、品質の高い製品の実現に寄与しました。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2006 Vol.61 No.3
公差解析による適正化

公差解析による適正化

改善施策効果可視化ツール

  • 生産エンジニアリング技術

製造ラインの生産性向上を目的に、複数の改善施策の効果を財務指標で可視化するツールを開発しました。
製造ラインの複数の改善施策をモデリングし、歩留り、材料費、販売価格などをモンテカルロ法で変動させて、損益のヒストグラムで施策の優劣とリスクの大きさを表現します。
このツールにより、半導体ディスクリート製品の組立ラインをモチーフに、製造工程の連結方法と仕掛在庫の保有方法の異なる複数の施策案を評価するなど、今後製造ラインの施策実施の意思決定に活用していきます。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2006 Vol.61 No.3
施策の優劣を表現した製造損益のヒストグラム

施策の優劣を表現した製造損益のヒストグラム

落下衝撃評価・解析技術

  • 高密度実装技術

BGA(Ball Grid Array)はんだ接合部について、落下衝撃による破断寿命を予測できる手法を開発しました。
基板を落下させたときの、基板及びはんだに生じる動的なひずみを数値解析により計算し、落下試験データと組み合わせることで、はんだのひずみと破断寿命の関係(実験式)を導き出しました。実験式を活用することによって、BGAのパッケージサイズやバンプ配列に応じた寿命予測を短期間で実現することが可能となりました。
この技術を用いて、製品の耐落下信頼性を設計段階で評価・検討し、開発リードタイム短縮と高信頼性化に貢献していきます。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2006 Vol.61 No.3
はんだ接合部の落下衝撃解析の図

はんだ接合部の落下衝撃解析の図

受注組立生産の最適受注引当システム

  • 生産エンジニアリング技術

顧客の希望納期を守り、かつ製品在庫を最小にする受注引当システムを開発し、東芝テック(株)流通情報システムカンパニーに導入しました。
このシステムでは、あらかじめ立案してある品目別製造可能数量に対し受注引き当てを行います。その際、線形計画法により、納期遵守率最大化と製品在庫滞留日数最小化を行います。これにより顧客希望納期と生産計画を同期化でき、効率的な受注組立生産を実現できます。
システム導入により、納期間近の受注数量変更や受注キャンセルにもフレキシブルに対応できる、製品在庫ミニマムの受注組立生産が行えるようになりました。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2005 Vol.60 No.3
最適受注引当システムの図

最適受注引当システムの図

薄肉樹脂筐体のハイサイクル成形

  • 構造設計・製造技術

モバイル製品の軽薄短小化や低コスト化に対応するため、薄肉筐体(きょうたい)を最短で従来比1/3のサイクルタイムで成形する技術を開発しました。
主な特長は、次のとおりです。

  1. 0.2mm厚までの薄肉成形が可能な高速射出制御
  2. 樹脂流路を細化した金型やホットランナ方式の金型の採用による樹脂の固化時間短縮
  3. 1秒未満で筐体を取り出す独自開発の横型取出機
  4. 成形シミュレーションによる品質の事前検証

これらの技術は、携帯電話用をはじめとする薄肉筐体の生産性向上や、生産に必要な金型台数の削減にも活用しています。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2005 Vol.60 No.3
ハイサイクル成形システム(ホットランナ方式の事例)

ハイサイクル成形システム
(ホットランナ方式の事例)

ハイサイクル成形技術の特徴と薄肉筐体への適用例

ハイサイクル成形技術の特徴と薄肉筐体への適用例

携帯電話用 液晶パネルの高速シール剤塗布装置

  • メカトロニクス技術

液晶パネルのシール剤塗布工程では、パネルを形成する2枚のガラス基板を貼り合わせるためのシール剤を線引き塗布します。携帯電話用の液晶パネルでは、1枚のマザーガラス基板上に多くの液晶パネルを形成するため、シール剤の塗布距離が長くなります。
そこで、塗布速度を従来に比べ1.5倍に高速化した、シール剤塗布装置を開発しました。高速化で課題となるコーナ塗布部の振動問題を、剛性解析と制御特性の改善で解決し、業界最速の塗布速度150mm/sを実現しました。
開発した装置は、携帯電話用液晶パネルのシール剤塗布工程の生産性向上に貢献しています。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2005 Vol.60 No.3
高速シール塗布装置の構成

高速シール塗布装置の構成

デュアルバンド無線LAN用小型RFモジュールの開発

  • 高密度実装技術

携帯電話等の無線端末の差異化のために、小型・低価格・高性能を実現する「高密度実装技術」と「RF回路技術」の開発を進めています。
無線LAN用のRFモジュ-ルに、ベアチップICのフリップチップ実装や多層基板内での配線自由度を増すビルドアップ基板の採用などの最新実装技術を適用するとともに、三次元電磁界解析を用いたRF回路特性の適正化や帯域通過フィルタの基板内蔵化を行いました。その結果、小型(24mmx32mm)、薄型(2.1mm厚)のデュアルバンド無線LAN用RFモジュ-ルの実現が可能となりました。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2004 Vol.59 No.10
ディアルバンド無線LAN用RFモジュール(無線周波数2.4GHz、5GHzの両方を使用可能)

ディアルバンド無線LAN用RFモジュール
(無線周波数2.4GHz、5GHzの両方を使用可能)

光学シミュレーション技術を活用した製品設計と製造ラインでの計測応用

  • 光技術

IT(情報技術)の進展により、シミュレーション技術を用いた仮想的な製品設計や特性評価が、さまざまな場面で活用されています。光学シミュレーション技術は、従来からあったレンズ設計以外の分野へも応用の範囲を広げています。
当センターでは、光を幾何光学的に取り扱う光線追跡シミュレータを活用して発光ダイオード(LED)のチップ形状設計を行い、高い光取り出し効率を実現しました。また、光を電磁光学的に取り扱うシミュレータを半導体製造ラインでのLSIの形状計測に応用し、従来の電子顕微鏡を用いた場合に比べて計測時間を短縮するとともに、装置を安価にしました。
これらの光学シミュレーション技術を用いて、電子デバイス製品の開発リードタイム短縮や試作回数の削減、製造ラインでの簡便かつ精度の高い光学計測の実現を図っています。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2004 Vol.59 No.9
図1 LEDの外観

図1 LEDの外観

図2 LEDチップの設計

図2 LEDチップの設計

Si単結晶引上げプロセスの数値解析技術

  • 構造設計・製造技術

Siウェーハの材料であるSi単結晶の引上げプロセスを数値的に解析する技術を開発しています。Si融液を凝固させて結晶を成長させながら引上げて製造するプロセスに対して、融液の熱流動を予測できるようにしました。また、引上げプロセスで発生する空洞欠陥の密度や大きさを定量的に予測する技術を開発しました。この解析技術により、φ300mmウェーハに対応した大口径の結晶を安定的に製造する引上げ技術の開発や、デバイスメーカの要求に対応した高品位のウェーハ開発に寄与しています。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2004 Vol.59 No.7
図1 融液熱流動解析

図1 融液熱流動解析

図2 空洞欠陥解析

図2 空洞欠陥解析

海外製造拠点の製造実行支援システム(MES)構築

  • 生産エンジニアリング技術

フレキシビリティ生産と製造ロス削減を目標に、海外のTV製造拠点に製造実行支援システム(MES:Manufacturing Execution System)を構築しました。
ITを駆使した本システムの導入によって、基板製造ショップとTV組立ラインの基板仕掛量や着工実績を正確に把握でき、欠品のない適正な着工指示が可能となりました。また製造リードタイムの実力値が明確になり、生産計画の精度を向上しました。さらに、品質管理面では、品質異常をすぐに検知・分析でき、迅速な品質改善に役立っています。
これにより、製造リードタイムの短縮、歩留り向上、使用部材の削減、倉庫人員の省人化などを実現し、事業に貢献しています。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2004 Vol.59 No.3 2003年の技術成果
海外製造拠点の製造実行支援システム(MES)構築の図

海外製造拠点の製造実行支援システム(MES)構築の図

モバイル製品の落下衝撃試験および解析技術を開発

  • 構造設計・製造技術

モバイル製品は、ハンドリング性の良さを追及してますます小形・薄型化しており、落下時の耐衝撃性能を高めることが課題となっています。生産技術センターでは、製品の衝撃強度を定量化する試験法と解析技術を開発しました。
試験法として、製品を任意の姿勢で落下させて、床面に所定の速度で衝突させる落下衝撃試験装置を開発し、歪みと変形量をより正確に実測出来るようにしました。 解析では、歪みの伝播と密接に関係する樹脂成形品の粘弾性を正確に測定し、衝撃が加わったポイントから製品全体へ歪みが伝播していく現象を数値解析(シミュレーション)する技術を確立しました。
以上の2つの手法を用いて、ノートパソコンや携帯電話などの設計を支援し、製品の信頼性確保に貢献しています。

関連論文

掲載誌名
東芝レビュー 2004 Vol.59 No.3
開発した落下衝撃試験装置において、任意姿勢で落下し衝突する様子

開発した落下衝撃試験装置において、任意姿勢で落下し衝突する様子

衝突時に生じる歪みの伝播の様子

衝突時に生じる歪みの伝播の様子

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